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45年目の朝に
父母の写真の前に立つ。 お香に火をつけて、お鈴を鳴らし、手を合わせる。 Braunの小さな黒い時計。電池カバーは無いままに、黄色い秒針は真下を指したままに。 目を閉じる。 わたしのなかに、時計の1秒、また1秒が響く。(秒針動かずとも時計は動いている) 彼らはもういなくとも、時計は時を刻んでいる。 45年目の時が重なる。ただ一拍一拍の今。 ふたりの抱擁。 並んだ母の手帳。手が伸びる、2013年。 そして今日の日付へ。 わたしの生まれた時の、母の想いがそこにあった。 ありがとう、記録をつけていてくれて。 1981年の想いが、2013年の母に蘇って、2026年、こうして娘の心に届く。 生きているということ、いとかなし。 哀し、悲し、愛し。 まるごとぜんぶ。 その姿は、愛。 今が最高です。 それは、きっと、これからもずっと。 いのち、つづくかぎり。 …もしかしたら、そのあとはもっと。

miwo
9月21日


バスがゆくよ
「右へ曲がります」 紅い彼岸花 咲きはじめた川沿い いつもの梨園通り過ぎて バスがゆくよ 高齢の方が 高齢な方に 席を譲る 「いいんです」 「いいんですよ」 「…じゃあ、ありがとうございます」 I am the youngest amongst all バスは満車です 朝は1便 次はお昼 ブルーの車体 コミュニティバスがゆくよ 車窓流れる小道 槙塀の影から 腕が伸びる 止まるバス ご自宅前ピックアップ 「ありがとうございます」 「よろしくお願いします」 見慣れた町を道を バスがゆくよ すれ違うコンバイン 刈田に黄金色 収穫の季節 病院 市役所 ショッピングセンター 大方降ります コミュニティバス 着いた着いた ようやく駅に エスカレーター 止まったまま 土嚢は端っこに 積まれたまま あれ以来の駅に来たよ 次の電車まで …20分?OK プラットフォーム 並ぶ 窓 窓 窓に開ける 眼下の町 あの日泥水に 浸かった町 小さな川沿い 黒いトンパック 土嚢積み上がった 崩落箇所 「ガス会社があんなの作って こっちに水が来たことはなかったのに」

miwo
9月20日
ムネモシュネの湖から水を飲む
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